受益者代理人の選任
信託行為においては、その代理する受益者を定めて、受益者代理人となるべき者を指定する定めを設けることができます。
2 信託行為に受益者代理人となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、受益者代理人となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就任の承諾をするかどうかを確答すべき旨を催告することができます。
ただし、当該定めに停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件が成就し、又は当該始期が到来した後に限ります。
3 前項の規定による催告があった場合において、受益者代理人となるべき者として指定された者は、同項の期間内に委託者(委託者が現に存しない場合にあっては、受託者)に対し確答をしないときは、就任の承諾をしなかったものとみなされます。
受益者代理人の権限等
受益者代理人は、その代理する受益者のために当該受益者の権利(第四十二条の規定による責任の免除に係るものを除く。)に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有します。
ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによります。
2 受益者代理人がその代理する受益者のために裁判上又は裁判外の行為をするときは、その代理する受益者の範囲を示せば足ります。
3 一人の受益者につき二人以上の受益者代理人があるときは、これらの者が共同してその権限に属する行為をしなければなりません。
ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによります。
4 受益者代理人があるときは、当該受益者代理人に代理される受益者は、第九十二条各号に掲げる権利及び信託行為において定めた権利を除き、その権利を行使することができません。
受益者代理人の義務
受益者代理人は、善良な管理者の注意をもって、前条第一項の権限を行使する必要があります。
2 受益者代理人は、その代理する受益者のために、誠実かつ公平に前条第一項の権限を行使しなければなりません。